- ○第一章『玄太を超えた日』
「げっつ!! 85キロ!!」
風呂上がり、体重計に乗った私は素っ裸のまま叫んでいた。
体重85キロ・・・すぐさま連想したのは昔のTVドラマのタイトル『池中玄太80キロ』だった。
あのころの西田敏行でさえ体重80キロだったのに、今の自分はそれを大きく超えている・・・
前々からデブという自覚はあったものの、まさかこれほどまで太っていたとは・・・
確か大学時代の体重は57キロぐらいだった記憶がある。
それから比べるとほぼ30キロは太っていることになる。
今の私が32歳だから10年間で30キロの体重増という計算だ。
年間3キロ・・・このペースで太っていったら西暦2001年には体重100キロになってしまう・・・
玄太・・げんた・・ゲンタ・・俺は・・玄太を超えてしまった・・・
妄想はどんどん膨らみ、気がつけばうわごとのように彼の名をつぶやいていた。
「いかん!!」
我に返った私はパジャマに着替え、意を決して妻に宣言した。
「週末、靴を買う! そして月曜の朝からジョギングを始める! 理由は聞かないでくれ!」
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